5月にチェコで再会した元AIESEC(アイセック)研修生Jan、9月下旬から半年間休暇を取ってガールフレンドとニュージーランドを旅するそうです。半年間も休暇を取れるってどんな会社だ・・・・・・、という羨望の念はさておき、その途中ストップオーバーのためにロンドンに立ち寄るとのことなので、ディナーを一緒にすることにしました。Janとは2001年に日本で知り合い、当時よく居酒屋で杯を交わしたものです。そこで、8年前を懐かしむという意味も込め、悩んだ末にこの日は居酒屋風日本食レストラン「Yoisho(酔処)」をディナーの店として選んでみました。
僕はロンドンの日本人駐在員の友人を招き、Janはガールフレンドに加えてイギリス在住のチェコ人の友人、スリランカ人の友人2名を連れてきたので、計6名での会食。皆フレンドリーで、とても和気藹々とした雰囲気でスタートしたのですが、すぐに衝撃的事実が発覚しました。なんと、日本人である僕たち2人と日本に住んでいたJanを除く3人が、今までの彼らの人生において日本食を口にしたことがないというのです。内スリランカ人ではない2人に至っては、箸を使ったこともないという。チェコに住んでいるJanのガールフレンドはともかく、イギリスではこれだけあちこちに日本食レストランがあるのに、それこそロンドンの主要鉄道駅の大半には寿司のテイクアウェイがあるのに、箸に至ってはその他アジアンレストランでも使われているであろうに、一体どうしてと不思議に思われました。いずれにせよ、そんな日本食未体験の彼女たちだから、まず箸の使い方レッスンが行われ、そして料理が出される度に一つ一つ材料から作り方まで簡単に説明し、そして彼女たちが恐る恐る食べるというプロセスが経られることになりました。わさびがどのようなものかも久しぶりに解説。これは僕にとってとても稀有な経験となりました。
日本食に全く触れたことがない外国人と接するのは、少なくとも10年以上は遡るように思われます。日本食のポジショニングが世界的に高まってきていることは間違いありませんが、食後冷静に考えるに、そもそも今まで会ってきた外国人の多くが自国外にも関心を持っており、日本食にも積極的に触れようとしていた部類のひとたちなのかもしれません。そうでない人たちにとっては日本食は未だに遠い存在なのだと、改めて認識させられたのでした。良いレッスンです。
なお、注文したメニューと彼女たちの反応は以下の通りです。
・サーモン刺身 → ◎
・マグロ刺身 → ○
・シメ鯖 → ×
・甘エビ刺身 → ×
・タイ刺身 → ×
・和風豆腐サラダ → ○
・お好み焼き → ◎
・焼きそば → ◎
・鶏の照り焼き → ◎
・鶏の唐揚げ → ○
・焼き鳥 → ○
やはり食べ慣れない生魚には抵抗感があるようでした。でも総じては気に入ってもらえたようで、皆「また食べたい」と。もっともこちらに気を遣ってかもしれませんが。